最近のロレックスの価格の高騰、ブランディング、販売戦略について

ここ最近、明確な線引きは難しいのですが2015年以降のロレックスのスポーツモデルの価格が高騰してますね。日本ロレックスの正規店で買ってそのまま並行輸入店に行って売れば儲かる、そんなわけの分からない状況になっています。ロレックスの歴史上、今現在が一番高騰していますね、個人的に思うにこれからも値段が上がる見込みです。

過去のロレックスは実用性のある機械式腕時計の専門屋でした。でした、そう過去形です。雑誌の最終ページの通信販売でも割賦で買えたなんて時代が。今ではもう貴金属のブランドになっていますね。昔のロレックスは通好みな、あえてクオーツではなくて機械式腕時計のアンティークを好む人のブランドでした。日本で急速にロレックスが広まったのはキムタク主演のドラマ、ラブジェネレーションです。いやーテレビの力ってすごい、芸能人の広告能力は凄い。おそらくロレックス側がドラマにお金を出して腕時計を提供したはずです、いわゆるスポンサーってやつです。ゴランノ・ス・ポンサーに名前があがっていなくて提供していたはず。「○○高級腕時計を買う!」というバラエティー番組の企画にもお金を出して提供したはず。ロレックスは芸能人や有名人を使って広告するのがとてつもなく上手いですね。「初めて月に行ったとけいbyオ〇ガ」という宣伝をすれば、その宣伝効果は凄いですわ。テレビの無い時代はどうしていたかというと新聞広告です。「ローレックス、1本10万円」というつまらない広告ではなく、「ドーバー海峡横断で使われた時計」「エベレストのてっぺんまで行った時計」という風にロレックスはストーリーを混ぜた(ストーリーテーリング)ブランディングしていました。ストーリーテーリングの広告はユーチューブの動画でもやっています。製品としてはどうかというと…今ではかなりよく作られて精度も高いのですが、時間の正確さはクオーツにはかないません。毎日使用していれば100%壊れます。○○タイマーよろしく壊れてもらわないと困るのです。一生壊れない時計を売ると、オーバーホール代が稼げない、次が売れない等々問題が出てきます。クオーツ全盛期の頃は生き残るためにロレックスは薄利多売をしていました。製品としてクオーツに劣るのに値段が高いと買う人なんていないでしょう。田舎町の時計店にも時計を卸していました。今現在オ〇ガがドンキホー〇やア〇ゾンで買えるように、そんな感じでロレックスはどこでも買えました。カジュアル路線、大学生がバイト代を貯めて買う、そんな時代でした。私が思うに携帯電話、スマホの使用者と比例する形でロレックスは価格を徐々に上げていきました。当然時間を確認するにはスマホで十分、腕時計なんぞいらん、という人が増えてきました。同時にロレックス側はカジュアル路線から、貴金属&宝石ブランドに変貌。時間の確認できる宝石、そう、それがロレックス(ドヤァ。ロレックスの正規店でさえもスポーツロレックスが買えない、それが今の現状です。広告は新聞、雑誌、テレビからネットに移りました。ロレックスの公式ホームページはさながら高級マンションの広告のようです。ロレックスのスポーツモデルで貴方もセレブの仲間入り!人生が変わる!みたいな。スポーツモデルと言ったらカジュアルな印象ですが、ロレックスは違います、セレブ感出しまくりです。実際ロレックスが公式のタイムキーパーのスポーツはポロだけだったはずです。ウインブルドンでもロレックスの広告を見かけますが公式のタイムキーパーは違います。ちなみに東京オリンピックのタイムキーパーはオメガ。

ネットの時代になり多くの人が情報を発信したり、共有できるようになりました。企業にとっては今までのマスより多くに広告が出せるので費用対効果が高いはずです。かと言ってロレックスは価格の値下げは絶対にしません。セレブ感、特別感を出すために値段を下げて多くの人に売るようなことは絶対にしません。みんながみんなロレックス持っていてインスタ映え~、とやっていたら特別感はどこへやら。日本ロレックスが客を選んでスポーツロレックスを売るのは理に適っていると思います。もうスマホの台頭でクオーツの腕時計ですら売れないのですから、ロレックスが高級路線に走ったのは正解です。純粋に時計好きな人からは嫌われますが、近頃ロレックス投資なるものが流行っています。腕時計は身に着けてナンボのもんじゃい!と思いますが、現在のロレックスは流動性が高い時計(と言うより品?)になっています。少なくとも価格が下がらないですし、場所もとらない、税金もかからないので投資するのはもってこいです。腕時計としては可哀想ですけどね…。これからロレックスはどういう路線に行くか想像するにもっと特別感を出すために正規店で購入した時計じゃないとオーバーホールしないもん!になるかな。さよなら身近にあったローレックス、ああ、お前はどこまで行ってしまうんだ…そしてこんにちは、高級腕時計ロレックス。以上乱文失礼致しました。